Kawa-Law通信

2014.01.23更新

 古いテナントビルをお持ちの大家さんから、ビルと敷地を不動産業者に売却したいが、テナントが建物の明け渡しに同意してくれない、という相談を受けました。

 若いころ、一念発起して銀行から融資を受けてビルを建て、以来四十数年。何度か融資を受けては改装を繰り返してきたが、ビルも老朽化し、大家さんも年老いて跡継ぎがいないので、そろそろ事業を手仕舞いして、銀行に借金を返済し、静かに余生を送りたいということでした。

 このような場合、借地借家法28条は、賃貸人自身が建物を使用する必要があるなど「正当の事由」があれば、建物の賃貸借契約の継続を拒否できると定めていますが、「正当の事由」の判断においては、「建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合」、すなわち、いわゆる立退料の支払いを申し出た場合の金額についても、考慮の対象となると定めています。

 大家さんにはなかなか痛い、経済的な負担となりますが、立ち退きに難色を示しているテナントに対しては、近隣で同じような物件を賃借した場合に、移転、開業に要する費用を考慮し、適正な立退料を提示する必要があるとお伝えし、買主の不動産業者や、融資先の銀行との間で、資金計画を練り直すよう助言しました。

 当事務所では、テナントビルや借地、借家の明け渡しに関するご相談も取り扱っています。
 感情的に難しくならないうちに、賃借人の立場も考慮して、明け渡しの条件を提示することが肝要です。
 どうかお気軽にご相談ください。

投稿者: 川口法律事務所

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