Kawa-Law通信

2016.07.13更新

 保育園や特別養護老人ホーム等、社会福祉事業の担い手として、「社会福祉法人」がありますが、本年3月末に大幅な法改正が行われ、来年4月1日から施行されることになりました。

 改正法では、現行法が任意としていた「評議員会」の設置が必須となります。 

 学校法人が運営している幼稚園では、既に、評議員会の設置義務があるので、「幼保一元化」の関係等もあって同じような制度が導入されるのかとも思ったのですが、社会福祉法の改正法では、評議員は理事、監事、職員と兼ねることができないほか、役員の親族も排除されることなど、私立学校法の評議員制度と全く異なる、極めて厳格な内容になっています。
 社会福祉法人の営む事業には、児童福祉事業以外に高齢者福祉事業があり、たぶんそちらの方が事業規模も抱えている問題も大きそうなことや、一連の公益法人制度改革との摺り合わせが必要と考えられたのでしょう。

 法改正の概略と、改正法の施行に備えて準備すべきことは、以下の京都市のサイトがよくまとまっています。

「社会福祉法等の一部改正について」

http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000200375.html


 ざっと見たところ、改正法のエッセンスは、

1) 理事の選任権は第三者(評議員会)が持つ。
2) 評議員会は理事会と人的に完全分離
3) 理事長の親族で理事に選任できるのは1人だけ(理事定数6人の場合)
4) 役員と評議員の損害賠償義務の規定が、会社法並みに整備された。
5) 本業での内部留保が積み上がったら、「無料又は低額な料金」で「地域における公益的な取組」をさせる。

というものです。

 保育園を1箇所だけ経営しているような小規模な社会福祉法人では、先代とか先々代が、どこかの時代にゼロから始めて、「家業」として承継してきたものを、いきなり法律が変わって、周囲は第三者ばかりになり、理事の法的責任と法人の社会的責務だけは重くなるというのですから、恐らく相当な戸惑いがあるだろうと思います。

 理事、監事の適格要件も法定されましたので、もし、現在の役員構成が縁故を中心に続いてきたものなのであれば、誰がどの要件に適合しているのかという観点から、見直さなければならないかも知れません。

 いずれにせよ、今年度末(2017年3月末)までに、所要の定款変更をし、評議員の選任の手順も確立しなければなりません。あまり時間がありませんが、これからも地域社会から必要とされる存在として存続していくために、まずは現在の理事会で問題意識を共有し、意思統一が必要です。

 

投稿者: 川口法律事務所

2016.07.08更新

 選挙終盤、各紙が「改憲4党が3分の2に迫る」との報道を流している。

http://www.asahi.com/articles/ASJ7673DFJ76UZPS00F.html

 一方、EU離脱ショックに揺れるイギリスでは、国民投票の再実施を求める請願への署名者が400万人を超えたとか。
http://www.asahi.com/articles/ASJ6Z51V4J6ZUHBI017.html
 国民の相当数がそういう声を上げるのには、それなりの止むに止まれぬ事情があるのだろうが、一度投票で決まったことをその直後にもう一度やり直してくれというのには、さすがに違和感を感じざるを得ない。

 

 ところで、この国民投票、投票率は72.1%だったそうである。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM24H3D_U6A620C1000000/
 国論を2分したかのように見受けられるこの国民投票でさえ、有権者の10人に3人は投票に行っていないのである。

 翻って、2013年の参議院議員選挙の投票率は52.61%、2014年の衆議院議員選挙の投票率は、52.66%と、
http://www.soumu.go.jp/main_content/000255919.pdf
有権者の半数は投票に行っていないのである。

 

 衆議院は既に、自公勢力が3分の2を占める。今回の選挙で改憲4党が3分の2を占めれば、憲法改正の発議が可能となる。
 想像して欲しい。「その時」、我々はどんな思いをもって今回の選挙を振り返ることになるだろうか。

 

 British(英国)とRegret(後悔)を組み合わせた「Bregret(ブリグレット)」という造語が登場しているそうだが、我が日本には古来より、「後悔先に立たず」という諺があるのは、誰もが知るとおりだ。

 後悔するより投票に行こう!
 これが、地球の反対側から見たEU離脱騒動の最大の教訓である。

投稿者: 川口法律事務所

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